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2007年01月30日

「粉飾の論理」 高橋 篤史


読み出したら止まらなくなる。登場人物と会社(架空のものも含めて)の数、そしてファイナンス技法が複雑に絡み合っているため、何度も同じところを読み返すことになる。それで止まらない。久しぶりに興奮する一冊に出会った。

世間を騒がせたあのライブドア騒動は話の導入に過ぎない。

カネボウが期末に行った取引先との架空在庫のキャッチボールでの見せかけの黒字、石川県のとある繊維財閥を巻き込みながらの連結外しによる赤字隠し。ライブドア事件の裏側で真相が明るみに出にくかっただけに、事実が不気味な説得力を持つ。

さらに、ヘラクレスに華々しく上場したメディア・リンクの狂騒劇でクライマックスを迎える。売り手が最終的に買い手となる、まるで子供だましのような「循環取引」。損をするのはメディア社。キャッシュフローがどんどん無くなり。無軌道な増資、手形の乱発を繰り返す。周囲には怪しい金融ブローカーが次から次へと現れ、錬金術を駆使して獲物を骨の髄までしゃぶり尽くす。

カネボウの事件は、サラリーマンや平取などが主だって起こした。メディア社の事件は、売上ノルマを達成したいと思うどこにでもいそうな営業マンが起こした。婆ちゃんに「他人を見たら泥棒と思え」と言われたことを思い出す。闇の勢力はすぐそこにいる。弱ったエリートこそ狙われる。

現実世界には魑魅魍魎で溢れている。
黒魔術が行われている。

事実は小説よりなんとやら・・・。
ノンフィクションが、オカルトやSFを超えた。

投稿者 hideo : 2007年01月30日 21:53

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